花言葉とデート(全部妄想)
付き合って1回目のデートで大阪城公園デートに行った俺。初めて彼女と手を繋いでみる。木々は、俺たちの心を投影したようにほのかな赤みをつけている。そんな中、鼻腔を刺激するような甘い匂いがする。
「わ、いい匂い。なんやろ。」
俺の目をチラリとみて少し柔らかめの関西弁で彼女が言う。目をまともに合わすことが出来ない彼女は、よくそういった目の合わせ方をする。
初めての歳上の彼氏。
彼は、いつも歳上とは思えない少年の様な無邪気さで、やれバイクがどうこう、釣りがどうこうと、彼の好きなことを話す。
その話はいつも刺激的で、私の好奇心を刺激する。今好きなものだって、彼に影響されたものばかりだ。
「金木犀の香りだね。今の時期に咲く花。」
彼はいつも誰に影響されたのかわからないエセ関西弁風な話し方だが、時折こういう綺麗な標準語を話す。私は、彼の標準語が好きだ。
「花言葉は、謙虚。どんなに魅力的でもまだまだだと、努力を欠かさない君にピッタリの花だね。」
真面目な顔をして、彼が言う。相変わらず何故知っているのかわからない知識を出す。いつも少年の様だが、こういうときに彼のロマンチストな部分が出る。歳上なのだ、と実感する瞬間でもある。
「まーたそんなこと言っちゃって、ロマンチスト出てんで〜」
「いや、は?やめろや!」
そんな彼を茶化すと、顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまう。
「でもそんなとこが、好き。」
つい口をついて出てしまった愛の言葉。私の顔も紅に染まる。
「、、、俺も好き。君の素直なところが。」
びっくりした。歳のわりに大人な彼女の口からそんな言葉が出るとは。やはり、愛らしい人だ。そんな彼女が、俺もまた、たまらなく好きなのである。
二人の顔は色づいた楓の葉の様に染まり、肌寒い季節の二人の体温は対照的に温かくなっていくのであった。
花言葉勉強してまだ見ぬ未来の彼女とこんなやり取り、したいです。