バイクで大阪~東京間を旅しての感想(ゴルシュン)【バイク旅】【大学生】
バイクで500km走り大阪から東京まで行く、というのは、人からしたらちょっとした旅であったり挑戦であったり見えるのかもしれないが、なんてことはなくただ車輪を500km転がしたという事実だけがそこにあり、それを経て人格が変わったり人として成長したりすることは一切ない。
これは所謂日本一周に出かけたり海外旅行に度々行く人達でも同じことが言えるだろう。
それによって得た経験や知識を材料に教養を深める、と言ったことはあるかもしれないが、何かその「行動」自体によってもたらされるモノは特にない。
それなのに人々は何故かその「行動」自体に価値があるように扱っており、それに違和感を覚えてしまう。
大阪から東京まで走り切ったことに関しては、走り切ったなーと言う感想しかないが、2日目の昼前、静岡付近のよく晴れた海沿いの道を、サンボマスターを熱唱しながら走り抜けてた時は、明確に心が震えるのを感じたし、恐らくこの道のことは向こう数十年覚えているのだろうなとも感じた。
昔ちょっと話題になっていた「二十代の知見」と言う本の中に、「二十代の人生は、忘れがたい断片にいくつ出会い、心を動かされたかで決まる」と言う一説がある。
ここ最近出会った言葉の中で一番の真理だと思う。
そしてその「忘れ難い断片」というのは、世間的に“立派”とされることの中じゃなく、田舎道をバイクで駆け抜けた瞬間だったり、居酒屋で安酒を飲みながら騒いだ瞬間だったりと、名前のつかない日々の中に転がってることの方が多いと思うのは俺だけだろうか。
だとしたら、その断片を見落とさないようにできる限り丁寧に歩き続けることが、今大切なんじゃないかと思う。