蟹飯で思い出す父との思い出
僕的なんか嫌シリーズ
・深夜で温めお願いする客
・サウナがこの世の全てだと思ってるやつ
・500円するコーヒー
・ニッチな音楽聞いてるのがカッコいいと思ってるやつ
・遊びを全力で楽しもうとしないやつ
・自分がキャンパスの中心だと思ってる1,2回生
・自撮りをSNSにあげることに微塵の羞恥心もないやつ
・クラッチバッグ
・つばの付いた半ヘル
とか書いてるけど理由は?って言われるとわからん。
なんとなく嫌っていうのが大半なのだろう。
前ゴルシュンとニドミンと喋ったけど、「なんか嫌」と感じることを言語化して、考察を重ねていくと結局は自分のこと、自分の考えを理解することができると思った。
でも、そうすると結局嫌だと思ったことは自分のコンプレックスだったりとか、自分の性格の至らない点がいくつも浮かんでくる。
そんな自分がちょっと嫌になるので、僕は「なんか好き」を大事にしていこうかなと最近思ってる。
「好き!」は理由がわかってて、面白くないのでなんで好きなのか理由がぱっと思いつかないことを書いていこうかな。
僕的なんか好きなもの「蟹飯」
なんで好きなんだろう。
蟹飯、味以外にもなんか好きなんだよね。蟹飯、何故か好き。味も好きだけど、それ以外にもなんとなく好き。
蟹飯と聞くと父を思い出す。
小中学生の頃、僕の父は忙しくて、夜中に帰ってくるのがしょっちゅうあった。
朝に父に行ってきますだけ言って学校に向かっていた。
父との時間はそれくらい。後は、家族で外食に行ったりとか。
父はそんなに喋る方ではなくて、当時は考えてることがよくわからなかった。
父には、めちゃくちゃ叱られた。僕は問題児で、学校から電話がかかってくることもよくあった。そのたび、本当に死ぬんじゃないかってくらい怒鳴られた。
姉弟で叱られることもあったが、姉と同じことをしても僕にだけ厳しい気がした。
そんな父が、僕は少し恐かった。
父方の祖父母の家が、函館にあった。僕は札幌に住んでいたので、距離にして200キロ以上。母や姉は面倒くさがって祖父母の家にあまり行かなかった。
僕は祖父母が好きだったのもあるし、子供心に、自分の子供が自分の親に会いに行かないのは寂しいだろうと、父の気持ちを気遣って父が父の実家に行くときはついていってた。
それが、祖父母の家に行く理由だと思っていた。
函館までの道中、父と二人っきりになる。
普段喋らない父と二人っきり。最初はちょっと緊張する。
車に乗っている時間が長いので、コンビニによって、飲み物とかを買う。
普段は母が買うのだが、いないので、父に買ってもらう。
お茶とかっぱえびせん。なんか新鮮で嬉しかった。
それから、函館まで車に乗る。
普段母が乗っているし、危ないからと助手席に乗ることが出来なかったけど、父は「特別な」と僕が助手席に乗ることを許してくれた。
父と二人っきりじゃないと乗れない助手席。わくわくした。
父は僕と二人きりでも口数は多くないが、僕の話をよく聞いてくれていた。
普段会話もしないのに、たくさん喋ることが出来た。
父は。昔見た「バックトゥーザフューチャー」の話をしてくれた。
少し父のことを知れた気がした。
函館に行く道の途中で、「かなや」という蟹飯の店がある。
そこで昼飯を食べる。
蟹飯は結構高いのだが、許してくれた。アイスも買ってくれた。
姉にだけ甘いと思っていたが、僕にすごく優しかった。
だから、とても美味しく感じた。本当に美味しかった。
それからも、車の中で父といろんなことを話した。
サッカーのこと。好きな漫画のこと。父の若いころの話。
楽しかった。
函館への父との二人きりの旅で、気づけば、父を恐いとは思わなくなった。
想えば、父は僕のサッカーの試合には絶対に応援しに来てくれたし、僕がテストで100点取った時には滅茶苦茶喜んでくれたし、小さいころ好きだった子供用雑誌の付録を、僕が不器用で作れなかったので深夜かえってきてから眠い目をこすりながら作ってくれていた。
僕は、父の愛情に無頓着だった。
だが、二人きりの車で父の愛情を感じた。
なんとなくだが、気づいた。
そんなことで気づくなんておかしな話だが、父に向き合って来なかったんだとその時に思った。
父と向き合って、父を知った。
蟹飯が好きなのは、父の愛情を感じることの出来るファクターになっているからなのだろう。
祖父母の家に行き続けてるのも、父との対話をすることが出来るというのも大部分を占めている理由なのだと思う。
だから、僕は蟹飯が好きだ。